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| ラボ００１： コンプについて PuchiEraseを開発していて、クラシックの音楽は意外と処理が簡単で、かなりのフォルテでもノイズとの識別は問題ありませんでした。しかし、ポップスについては、まだまだ研究の余地がりそうです。その原因のほとんどはコンプと言われる処理に起因していると思います。 クラシックでは自然な音響場を再現するが第一と考えられているためにコンプが使われることはまず無いと思われますが、ポップスでは人間の聴覚に判りやすく聞かせる為にコンプが多用されているようです。 コンプとは、人間の耳に聞こえやすいように、レベルの低い音を大きく記録し、大きいピークを下げてダイナミックレンジを圧縮して聞きやすくする処理のことです。 ちなみにどの程度に圧縮されているかといえば、手元の女性ボーカルで比較すると J-ポップス：0 to -20db オペラのアリア：-5 to -55db Jazzボーカル：-5 to -40db PuchiEraseの開発では、波形をみながら開発したので、そのヒドサに唖然としてしまった。まるで台形波形のように整形されてしまって、これでよく人間の耳に平常に聞こえると、人間の能力の凄さ（いい加減さ）に関心してしまいました。 あと、シンバルの音もかなり強調されて入っているため、ノイズと非常に識別が難しくなっています。 クラシックでとられている処理が良いのか、ポップスでの処理が良いのか、文化とか好みの問題で良い悪いを議論する問題ではないでしょうが、巷にあふれる、ポップスのコンプ無しバージョンを聞いてみたい気もします。 参考資料：コンプの波形例（J-ポップス） コンプ無しの音 コンプ有りの音 コンプ有り無しのサンプルデータは私が生録した学生コーラスを使っています。コンプ有りが非常に音量大きく聞こえますがピーク（両方とも-５ｄｂ）は同じようになるように調整しています。 コンプ無し：-5 to -40db コンプ有り：-5 to -28db Note：ダイナミックレンジはCoolEdit2000の統計機能でデータを取りました。コンプもCoolEdit2000の圧縮機能を使いました。 ラボ００２： HDD Raidのバージョンアップで勉強になりました ここでは、音についての色々な話を書く予定でしたが、まだ煮詰まっていないので、とりあえず私のパソコンのバージョンアップについて書きます。 生録編集のCD作成を遊びでやっています。Waveファイルは数百メガバイトと大きく、編集するにはHDDの速度は重要です。当然CPUの速度も大事ですが。 生録編集の最終の音抜けチェックもPuchiEraseの開発動機のひとつでした。 バージョンアップ対象（バージョンNow） CPU： Tualatin_Cerelon １．３GHｚ（１．４０５GHｚクロックアップで使用） MB： ASUS TUSL2 Memory： ３８４MB IDE Raid： AEC６８８０ HDD： Seagate Barracuda ATA Ⅳ ST340016A ｘ２台 Raid０で使用 OS： Win2K これで何故バージョンアップする気になったかと言うと、HDBenchの数字に、引っかかっていたからです。 バージョンNowの性能 ２０MB Read： ３２MB/s Write： ５７MB/ｓ by HDbench V3.22 バージョンNowの以前は、IBM DTLA３０７０３０をシングルで使っていました。Raid化でWriteは速くなったのに、Readはあまり変わらないのです。体感はどちらも、ずっと早くなったのに、Benchの数字が気になるのは人間の弱さでしょうか？ 身の回りにRaidで６０MB/sが出たと聴くと、何故！！と自分を脅迫してしまい、何が原因なのか判らないまま、バージョンアップに猛進してしまったのですが、あああ・・・！ バージョンアップの内容 HDD: IBM DeskStar 120GXP IC35L040AVVA07 x2台 Raid0 このIBMのHDDは現在IDEでは最高速と評判のHDDです。さてBenchの結果は ２０MB Read： 80MB/s Write： 67MB/ｓ by HDbench V3.22 期待を裏切らない結果にさすが、最速HDDだと感激しましたが、しかしBarracudaと比較してHDDの回転音が耳障りなのです。けっして大きな音ではないのですが、キーイインという、私には我慢できない頭を縛るような金属的な音がするのです。 購入前に音については雑誌で情報を仕入れ、お店の人にも評判を確認して大枚叩いて買ったのに、ああ・・・！2つの雑誌に音は静かで、性能抜群と書かれていたし、むしろBarrarcudaの方が金属的音が気にかかる人がいるかも知れないとありました。お店の店員さんもIBMは以前の機種から静かですからと言ってくれたのに。 ここでも、雑誌の記事が当てにならないことが証明されました。音など気にならない方には絶対お勧めの製品ですが、私の所ではお蔵入りです。近くに譲り受けてくれる人がいればいいんですが。 私の経験から断言します。Barracudaは回転音、シーク音とも静かさではダントツのHDDである。（この後、凝りもせずMaxtorにも手を出して確認しました） それから、雑誌には書かれていない注意事項がもうひとつ、回転数が同じスピードのHDDを複数搭載すると、微妙な回転数の違いで耳障りなうなりが発生します。これも、実際に組み合わせて確認しない限りわかりません。 Barracudaと１２０GXPを実装すると見事に耳障りなうなりを発生してくれました。１２０GXPをセカンドHDDとして使うこともできなくなりました。騒音が気になる方は、HDD複数実装の場合、同じ型番でない限り、大きく回転数の異なるHDDを実装することをお勧めします。こんなことは雑誌には紹介されていません。 高い勉強代だったよー、雑誌は真面目に記事を書いてくれ。 追記：IBMがHDD事業を日立に譲渡したニュースを聞き、HDDの生みの親であるIBMも後れをとっていた事実を確認しました。日立が静かで高性能なHDDを提供してくれることを期待しています。 ラボ００３： 私の録音編集機材の紹介です 私は録音には手軽に使える録音機能付きのMDを使っています。ノートPCでダイレクトHDDレコーディングはPCの信頼性（Windowsの信頼性？）、電池動作時間を考えて行なっていません。 MD： Aiwa AM-F7 Mike： audio-technica AT9460 HeadPhone： Zenheiser HD475 MDからWaveファイルに変換するためには、光ディジタルアウト付きのMDプレイヤーをUSBインターフェイスのDA-Portを使ってPCに接続しています。 MDプレイヤー： YAMAHA MDX595 DA-Port：Canopus DA-Port USB 取り込んだWaveファイルの編集、CD作成に次のソフトを使っています。 編集ソフト：Syntrillium Cool Edit 2000 http://www.syntrillium.com/ CD焼きソフト：BHA B's Recorder GOLD CD-Rドライブ：Richo RW7200A -> YAMAHA CRW3200Eに変更 2004/2/14 追記： ユーザ登録しているのにまったく連絡が来なかったと記憶しますが、Syntrilliumソフトウェアは２００３年５月にアドビに買収（ http://www.adobe.com/special/products/audition/syntrillium.html ）されて、Ｐｒｏ版がＡｄｏｂｅ Ａｕｄｉｔｉonと言うソフトになってしましました。Cool Edit 2000は無くなったようです。電子メディアを総合的に押さえるための買収でしょう。小さな特徴有るソフト会社が無くなるのは寂しい限りです。 ：追記終了 Cool Edit 2000は専用のスクリプトが使えてバッチ処理もできるし、イコライジング、リバーブの質も高く、お勧めのソフトです。B's Recorder GOLDは新型のドライブ対応が早く、操作性に難ありですが大枚はたいて買ったいくつかのソフトをお蔵入りさせました。 再生して楽しむ装置は AMP： Marantz PM-14SA -> Krell KAV-400xi 2005/7に変更 PhonoAmp： Onkyo SE-U33GX CDP： Sansui CD-α607 --> Marantz SA-14V2 2003/6に変更 SP： B&W CDM7 --> Euphonia MS04 2003/5に変更 SP-Cable：UltraLink Challenger14でバイワイヤ接続 HeadPhone： Zenheiser HD475 録音はMDですが、これで結構良い音でCDが作成できます。音をいじりまわした市販のCDの耳障りな音に比較すると定位もしっかりしていますし、空気感も十分再現されて実に素直です。録音エンジニアの考え方の違いでしょうが、市販のCDでも自然な感じの良い録音は希少です。 ラボ００４： CD-Rの音質について 結論から言うと、メディアで音も変わりますし、書き込むドライブでも音は変わります。 まったく、判らないという人もいます。当然のこと、何を問題にして話をするかですべての事象は変わります。 良い音か悪い音かは、主観の問題なので対象としませんが、私の再生装置と私の耳で判断すれば確実に音は違います。 この問題は古くからオーディアマニアと呼ばれる人達では議論されていました。ディジタルなのに理屈に合わないので諸説が入り乱れていましたが、最近ではジッタ-が原因と言うことで落ち着いています。あと、脳の妄想と言う説もありますが(^^; 私は少し納得できないのですが、ジッタ-しかないだろうなと言う消去法で肯定しています。 CD-Rにコピーされるときにデータが変わり音質落ちてくる説もありました。 私も原因が知りたくて、データ脱落がないか調査しました。CD-RのデータをWaveファイルに変換し、オリジナルのWaveファイルと比較しました。 1枚50円程度の台湾製のデータ用の安いCD-Rや国内の有名なブランドのCD-R、音楽用の1枚300円もするCD-Rを使って比較しましたが、データは１Bitたりとも違いはありませんでした。 PuchiEraseの作成の経験で、データのエラーがあれば例のプチというノイズ音になってしまい音質議論ではないと言うのは判っていました。 しかし、ディジタルデータは一致するのに明らかに音は異なるのです。 ではジッタ-とは何かというと、ディジタルデータが再生されるときの時間軸のブレを指します。CDの場合１Bitは約700nsの時間でこれがns（100万分の１）の桁でぶれるのです。このぶれを人間の耳で聞き取れるというのも不思議です。 言葉で表現すると、音が硬い、やわらかい、広がりが無い、ある等、オーディオマニアが問題にしている音質違いがあるのです。好みによっては、オリジナルのCDよりコピーされたCD-Rの音が良いと言う人もいるかもしれません。 CDの再生装置に大枚掛けて、一般人には微妙な音の違いにこだわって議論している人達もいます。１００万円を超えるCDプレイヤーが当たり前の世界です。真面目にジッタ-が人間の聴覚にどのように聞こえるかを研究して、自由にコントロールできれば微妙な音質の違いをコントロールする安価な再生装置ができるかもしれません。 私が時々、覗いているオーディアマニアのHPは http://www.audiofan.net興味があれば覗いてみてはいかがでしょう。 2002/20/07：追記 CDのジッタ-については、実験をされてその関連情報を提供されているefuさんのホームページがあります。私のように耳で聞いた印象を記しているのでなく、測定データで違いを検証されています。ジッタ-を検波してそれを自作のスペアナソフトで解析しています。大変な力量の持ち主です。いくつかのAV関係の雑誌がでていますが、このようなデータで裏打ちされ記事は殆んど見たことはありません。 ラボ００５： YAMAHA CRW３２００E-VKのAudioMasterは音が良いか 音にこだわっている私としては、YAMAHAのAudioMaster機能のあるCDRW3200E-VKは気になる存在でした。しかしRichoのRW7200Aを出始めの頃に結構高い値段で購入したこともあるし、YAMAHAもまだ高かったので様子をみていました。 しかし、Richoのドライブが調子が悪くなったし、Richoの前に使っていた松下の物に比較して音が良く感じられなかったこともあり、YAMAHAのドライブも随分安くなったので購入しましたので、AudioMasterについて私なりの印象を記します。 AudioMaster：再生時の線速度が１．４ｍ/ｓ（一般には１．２ｍ/S)となるようにディスクアットワンスに書き込むことにより高品位な記録を実現する。ジッタ-を低減することが出来ると謳っています。ただし、録音時間が８５％に短くなります。以下AMと略します。 CDの仕様では、１．２ｍも１．４ｍも仕様上OKとは驚きです。 実験方法：手持ちの市販CDから選び出した曲をAMの有無で記録して、オリジナル、AM有り、AM無しを比較試聴する。ジッタ-を測定できれば興味深いのですが、当方測定器を持ち合わせていませんので自分の耳を使いました。 試聴に使った曲：
全部で約25分です。AMの有無で記録に使ったトラック幅に差がありました。 AM有り：２４ｍｍ AM無し：２１ｍｍ 使用したCD-R： TDK CD-R74SVF ｘ１６ データ用 試聴用機器： ラボ００３参照ください。 試聴結果： 結論から言うと、私には明らかに音に差があります。そもそも、脳でどのように聞こえているかを客観的に評価する方法はありませんので、私の脳にはこう感じた、としてお読みください。他の人が同じ結果得られる保証は何もありませんし、音に興味の無い人には差があるとは認識できないかもしれません。私の耳の幻聴、もしくは脳の妄想かもしれませんので悪しからず。(^^;
まとめ： 当然、録音プロデューサ、エンジニアがどのように聞こえることを目論んで音作りをしたかが判らないと、判断のしようがありません。また、目論んだ人達も、設定に使った機器で聴いて確認しているはずですから、まったく違う機器、違う環境、違う耳で評価しても良い悪いを判断するのはナンセンスです。 所詮は、自分が期待する音にどれだけ近いかで良し悪しを判断するしかありません。これらの違いにこだわらなければAMも無価値です。 この経験から、私は、オリジナルCDの音が一番良いという固定観念は正しいのかということから、疑ってかかる必要があるように思います。 2003/10/12追記： YAMAHAは残念ながらパソコンのCDドライブ市場から撤退してしましました。確かに厳しい競争でマーケットプライスが日に日に下がる市場では新製品競争で先行して利益を上げなければ事業継続は困難です。最初は先行していたYAMAHAもいつからか後手を引いて厳しい状況だったのでしょう。音の良さはパソコンマーケットの顧客にはバリューではないということです。オーディオの世界で好みを云々しているアナログ的差と、２４倍速だ、４０倍速だと言われるディジタル的差は比較すること自体がとうてい不可能な世界です。YAMAHAは自社オーディオ製品には継続して使っていくようです。 |
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